唄うパン屋(むぎわら帽子2代目オーナー)

若狭見聞録

~仕事、音楽、ランニングを全力で楽しむ~

おおい町と高浜町の間で揺れる想い。

W不倫の話題で盛り上がるワイドショーを横目に

お隣、おおい町へ行った。

 

青戸の入り江から見る夕陽は、高浜で見る夕陽と比べ綺麗に見えた。いつも見ている若狭湾青葉山なのに・・だ。いったい何が違うのだろう?私は考えた。

 

 

「Z先輩に告白されたんだー」

いつもの帰り道、唐突に幼馴染のA子が言う。

 

「Z先輩、人気あるんだぜ?良かったな?」

なんて言葉を残し、いつものように別れた。

 

しかし夜になり灯りを消してベッドに横になると

帰り際の事を思い出して寝付けない。

 

いつものなら、1分で寝落ちするのに。

 

カーテンから隣人宅の明かりがこぼれている。

まだA子は起きているようだ。

 

そう、A子宅は隣なのだ。

よく大会前の緊張で眠れない夜は

窓越しに何気ない話を楽しんだものだった。

 

おもむろに腰を起こし、カーテンを開けると

アイスを片手に夜風を浴びているA子と目が合った。

 

そこで咄嗟に言うのだ

高浜町の夕陽も綺麗だよ

 

なんのこっちゃ。

 

 

 

 

プールがある”おおい町総合運動公園”は

国道沿いに立地している。

コンビニまでも近い。

 

おおい町は町作りが上手い。

(高浜の後に整備してるから?という主観あり)

 

この気持ちは否定する事が出来ない。

認めてはいけない想いを解放したと同時に

私の中で突発的な”おおい町ブーム”が起こる。

(※実際はプールを見学中です)

 

大火勢(お祭り)、きのこの森(日本一長いすべり台がある)、うみんぴあ(ほぼ無料で遊べるUSJ・・は言い過ぎ)。

 

そう。私は娘のプールを見学室で見守っている間、ずっと”おおい町”の事を考えていたのだ。おおい町は私の事など何とも思っていないのに。

 

先述の名所は、サザエさんのオープニングにもなり

ただの幼馴染である”おおい町”の活躍をみて、自分の事のように喜んだ。まったくバカな男だ。

 

 

 

あれから七度目の秋を迎え

私は高浜町と暮らしていた。

 

毎朝早くから朝食を用意してくれ

笑顔で見送ってくれる高浜町

平凡だが、それなりに幸せな毎日を過ごしている。

 

「馬鹿な事を考えるのは、よそう」

 

そう自分に言い聞かせ

プールから出てくる娘をエントランスで待った。

 

ところが・・だ。

 

「ただいま」の次に続いた言葉に耳を疑った。

おおい町から見える夕陽は綺麗だね」

と微笑む娘。

 

私より生粋の高浜町民である娘が

クロールのブレスの際に見た

おおい町の夕陽に恋をしたのだ。

 

それだけではない。

平泳ぎのブレスのときも

ビート版を股に挟んでいるときも

ゴーグルに水が入ったときも・・だ。

 

「何を言ってるんだ!お前の母は高浜町だぞ!」

 

そう言って、いそいそと車に乗り込み

高浜町の待つ家へ無言で車を走らせた。

 

カーラジオから、夜空の向こうが流れていた。

私は、高浜町の夕陽を見ながら、おおい町の夕陽を

心の一番奥で空回りさせている悪い男なのだ。

 

斉藤由貴の気持ちが少し理解できた気がした。

しょーもな‼︎